BUMP OF CHICKEN 10枚目のシングル『プラネタリウム』のB面に収録されている『銀河鉄道』についての投稿。
コアなファンには結構知られている印象もあり、また前奏が指弾きのいい練習になる。そろそろ楽器屋さんでの試奏で弾けるようになりたい…
というのはさておき、この楽曲のポイントは”余白”だと考えている。
どういうことか、書いていこう。
余白の正体
余白はAメロに差し込まれている。
この曲はおそらく8分の6拍子で作られているが、Aメロでは若干崩されている。Aメロの流れを音楽的に当てはめるのなら、8分の3拍子と書く方がしっくりくるかもしれない。
いや、そのへんの話はどうでも良くて…
どう崩されているか、というのが重要である。
そろそろ本題に…
出だし「電車の窓はガタガタ鳴く」と歌ったあと、8分音符3つぶんの空白があることに気づいていただけるだろうか。
(もしかすると、各楽器が入る2番以降の方が捉えやすいかもしれない)
Aメロ限定で、この余白が存在している。
とまあ、余白が存在するだけなら、なんだかトリッキーなことやっているなあ、で終わる話だと思う。ところが今回の話はここでは終わらない。
ライブ音源の出だしを聴いていただきたい。
(埋め込んでおきますが、AメロはApple Musicに飛んで聴いてください)
余白の部分が長くなったり短くなったり、変幻自在なのがおわかりいただけただろうか。
この”余白”こそが曲の自在性を生み出しているのである。
BUMPがライブでアレンジを入れることは結構あり、特に歌詞変えはファンの間でたびたび話題になったりもする。そんな中、余白を使ったアレンジは少ない(というかこの曲以外にパッと浮かばない)。
あえて余白を作ることで、その時どきに合わせた歌い方、伝え方を選ぶことができる。弾き語りだと結構融通が利きそうである。
まあそもそも、こういうトリッキーな曲を作るのがとっても難しいのだが…
歌詞の世界観
触れずにはいられないので書いておくが、この曲の物語はまたとっても素敵である。
現実世界にありそうな物語で、スッと入ってくる。小説の一部を読んでいるかのような感情にしてくれる。
でも曲名は『銀河鉄道』
現実世界に限りなく近い非現実的世界を表しているかのようで、非常に深みを感じるワードチョイスである。
※ ちなみに、曲名は書き終わってからつけられたらしい。
BUMPのトリッキーなアレンジ
この曲以外にもBUMPにはトリッキーな曲が結構ある。
『三ツ星カルテット』なんかは代表例であろう。前奏や間奏は6拍子、歌は5拍子。目まぐるしく変わっていくので、きっと演奏はめちゃめちゃ難しい…
正統派楽曲が目立つ中で、おやっ、と思うような曲も隠れているのはBUMPの魅力の1つと言える。聴く人を惹きつけるための努力の結晶であろう。
というわけで今回はこのへんで。
めちゃくちゃどうでもいいが、栢本てのさんが歌う8分の6拍子を聴いてみたい。必然的にテンポが上がるので、新しい曲の景色を見られそうな気がしている。