※ 2023/8/25 本文内のコードが一部違ったので、修正しました
一つ前の記事にも少し登場した『藍』
今度はこの楽曲のみにフォーカスして、魅力を探っていく。
ストロークがメインのギター
栢本さんは主にエレガットギターを使用されている。そして、ピックを使わず指(爪?)での単音弾きが多い。
(クラシックギターは、その特性からあまり強いストロークはできないらしい。私は弾いたことないのでなんとも言えないが…)
そんな中、『藍』は曲頭からストロークで始まる。
栢本さんの楽曲の中では珍しいパターンだと思う。
冒頭のコードでいうと、たぶん
x3x23x – 3x023x の繰り返しで弾いている…のだろうか?
(あくまでも個人の推測で、正確性は保証しません)
感覚的に浮かぶ進行ではあるが、解釈がとても難しい。
↑※ 2023/8/25 コード修正入れました
メロディーの頭の音はEなので、1弦鳴らしてもいいとは思うが、
なんとなく1弦ミュートにした方が自然な感じがする。
とまあマニアックな話が入ったが、『藍』の半分以上はこの2つのコードで構成されている(はず)。
そして、ストロークがメイン。
シンプルに、真っ直ぐに言葉を伝えてきてくれる曲なのである。
よすがの海
どこかの投稿でも書いた気がするが、ここでも触れておく。
『藍』の曲中にあるこんな表現
「よすがの海に抱かれて」
私はこの日本語が大好きだ。
なぜこんな美しい日本語を音楽にのせられるのだろうか。一度頭の中をのぞいてみたいと思うほどである。(言い過ぎましたすみません)
個人的にはその後の「歌うたう ここは孤独」のところがポイントになっていると感じている。
そもそも「よすが」の意味は「身や心のよりどころとすること。頼りとすること」
漢字にすると「縁」と書いたりもする。
私の印象では、古典文学には結構出現するイメージ。
文章には時々出現するものの、会話ではほとんど使われないイメージがある。
心のよりどころである海に抱かれて歌をうたう。
でもここは孤独。
まるで”ねじれの位置”のようなこの表現に、彼女の音楽の奥深さがみて取れると思っている。
※ 私は「ねじれの位置」という例えを多用する傾向にありますが、ルーツは重松清さんの『きみの友だち』にあります。興味のある方は一度読んでみてください。
2番のBメロ
Bメロと名付けていいのだろうか。。もしかしたらCメロなのかも? とも思うが、2番には1番と進行を変えた印象的な箇所がある。
ただ、この投稿を書いている今、歌詞が思い出せない…
これを読む皆さん、どうかお許しください。
冒頭に説明した進行から、こんな感じに変化するところがある。
A#dim – Bm7 – A#dim – Bm7
※ 正確性は保証しません。
これは別記事で紹介したことのある、私の好きなコード進行の一つである。
1番ではメジャー系の響きに着地する流れだったように思う。
ここでこのようにマイナー系に進む進行を入れることで、少しダークな感じを演出し、曲の深みを見せることができると感じている。
たとえ栢本さんが感覚的に作っているとしても、脳内の無意識の部分でそうやってなんらかの根拠を持たせて楽曲が作られていっているのだろう。
『藍』から感じる可能性
これはもう単純な話で、
栢本さんは意外にアップテンポな曲でも作れて、そして歌えてしまうのでは、というものである。
個人的にはアップテンポというより、スローながらも言葉を詰めた曲を見てみたい感じがある。先ほどのコード進行の話で出てきた『Small World』のような。
(出てきたといっても、リンク先までいかないと出てきませんけども…)
先日のライブでは新曲が披露され、新しい景色を我々に見せてくださった。
彼女がまた新たな景色を見せてくれることを願って、応援し続けようと思う。
…長い、、書きすぎた。